Monochrome Searchlight

生憎の雨、愛に包まれた赤子 ウトウト 風車 赤信号
窓を縫う斜めの糸 お昼寝のあと朝に戻る起き抜け
たゆたう松日合わせるたなうら 眼蓋の裏揺らめかす玉響

刻まれ静かに積もる緋桜 君の膝枕に首もたげたまま進めず薄の穂にも怯ず
耳元に百舌 鳴き声が聞え
時を越え一入待ちわびる山彦が揺らす空翠と風鈴
季節数え凍てつかせた郵便に微熱与え詩で伝えてあげるから
夕焼けにふやけた海 迷子のあの日の続き
忘れたくないから案山子のように足をとめて碇下ろす
いつか昔来た気がした記憶に重きを置くもその奥は
いつまでも暗澹と目が慣れず反転したメガだけが残り
明け方を忘れた長い夜にいびきかきクースカピーカスピの海になびく埃
わら箒で払う木馬 雑巾で磨いても磨いてもまだ僕には見えない
かきむしる額縁の内側に散らばるパズルをただ千羽鶴のようにまた束ねたいだけなのに
竹薮に危ぶまれ破かれた雨傘捨て滴らす雫は冷たく舌足らずで痛みすらなくて
雲を霞と飛び回る薄目開けた烏がまるで頭の片隅に
住み着いて目を盗み墨塗ったみたいなんだ 例えれば
物暗いモノクロの畦道を汗水たらしながら裸足のまま遠くまで歩を進め
戸を開くと川べりで木漏れ日が踊ってた
懐かしいほとぼりの灯火が熾っていた
あの時 あの空 あの花
あの街 あの風 あの音
あの道 あの夜 あの雨 へ僕たちを運ぶ箱ブランコ
眼帯 仏滅 サーチライトはUFO
眼帯 仏滅 サーチライトはUFO
眼帯 仏滅 サーチライトはUFO
考える隙さえ与えず すきっ腹にフリッパーズギター
スピーカーの音 こんな夜中に
伸びすぎた前髪で前が見えない じれったい 仏滅 サーチライトはUFO
この地球上 踊り狂う世全てを忘れて
今日未明 上機嫌で見た夢 近づけぬそれは非核三原則よりも重く
盲目 もう黒くなった純白 ろくろ首長くしてほくそ笑む
前みたいに お前みたいに アレ見たいがために大舞台に
歩みたい お前みたいな奴に俺はなりたいんだ
愛し足りない 足りないんだ 必ず売れるから 今 1億円 貸してくれないか
いや百億円貸してくれないか
いやヒャクオクマンエン貸してくれないか お願いだ
空は紅に染まり始めた 空は紅に

午後の秋晴れ 心は着替えても汗 滲み出て コロコロ 衣替え
まどろむ浅めの井戸 仮初の魔法 針をとめる置時計
夢現の美しいひと時、うつ伏し目に映る空五倍子色
寝静まる町溶ける友待つ雪 あの常夏月に気をとられたまま進めず薄の穂にも怯ず
耳元に百舌 鳴き声が聞え
時を越え一入待ちわびる山彦が揺らす空翠と風鈴
季節数え凍てつかせた郵便に微熱与え詩で伝えてあげるから
夕焼けにふやけた海 迷子のあの日の続き